弁理士試験(短答)の体験談 - グローリア国際知財事務所

弁理士試験(短答)の体験談

一次試験である短答試験に関しては、私は合格までに3度、受験しました。

一度目は、鉛筆コロコロ状態。少しかじった程度の知的財産法の知識を元に、長時間に及ぶ試験を、近畿大学のキャンパスで受けました。結果は34点でした。

二度目も、近畿大学。この年は、前年に比べれば勉強をして臨んだのですが、勉強方法が全然確立出来ていなかったと思います。結果は38点でした。

私は、色々な勉強方法、本を試してみたくなり、つい色々と広げてしまう癖があり、それでだいぶ難儀していました。

例えば、当時「条文を捉える」という赤い小さな本が出版されて間もなかったのですが、私はその本にゾッコン状態となり、マニアックな記載、トリビア的な知識に魅了され、ハマり込んだりしていました。

それを見かねた、事務所の先輩から、そんなマニアックな本を読んでいたら、合格が遠ざかる、と心配されたり、助言されたりもしました。大多数の受験生が使っているはずの、LEC短答アドヴァンスなどを押さえることが、合格への近道だ、とのことでした。このアドバイス自体は、実に適格なものだったと、今でも思います。

3年目の短答対策を始める時、私は、確かにこのままでは合格は厳しいだろう、多数派の受験生が押さえているであろう、過去問・条文・青本を、私なりの方法でちゃんとカバーしなければならない、と、本気で対策を考えました。

「過去問・条文・青本」のうち、特に、過去問に当たる作業が、私は少し苦手でした。10年分ぐらい掲載されている分厚い過去問を見ると、気が滅入るし、また当時は読むスピードが遅かったため、時間も取られるし、問題を解いたからといって大して頭に入ってこない気がしていたからです。

そこで、かなり大胆ですが、私は最後の年(2011)、過去問に当たるのは止めました。

過去問に当たったところで、こなす作業としては、結局は、
「各枝の正誤を検討する→正解だったか確認する→解説を読む→解説に出てきた条文を確認する。」
でしかないのです。つまり、過去問は、条文に当たるための「きっかけ」としてしか機能していない、と私は思ったため、過去問はすっ飛ばして、「条文を読み込む」こと徹する事にしたのです。

それで、各法域の条文を、1条から順番に、毎日欠かさずチェックしました。頭にしっかり浸透するように、なるべく深く理解出来る様に、条文を読む際には、声に出して読んだり、線でなぞりながら読んだり、といったことを繰り返しました。

条文の意味を正確に捉えるために、LECの短答アドヴァンスと、青本を、頻繁に参照しました。これらは、条文の解説書、という立ち位置で、フルに活用しました。

おかげで、私が勉強したあとのテーブルには、いつも消しゴムの消しカスが溜まってしまい、掃除が毎度、大変でした💦

この勉強法を実践するようになってから、条文の内容が知識として定着して来たことを実感するように少しずつ変わって行きました。

こうして向かえた、三度目の短答試験は、45点の高得点で無事に突破しました。

上記の勉強法は、自分にはとても合っていたと思うのですが、これまでのところ、同じような勉強法をしていたという弁理士仲間には未だ出会ったことがありません💦
私は相当、少数派(マイノリティ)なのでしょう、きっと(^^;

でもまぁ、弁理士という職業自体が、とても珍しがられる存在なので、これも個性ということで、やって行きたいです♪

勿論、「多数派のやっている事は、ちゃんと押さえるべき」という素晴らしきアドバイスは、今でも肝に銘じて生きています。

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